東京理科大学 研究推進機構 研究機器センター
東京理科大学 研究推進機構 研究機器センター センター長挨拶

研究機器センター長挨拶

技術革新の推進役となる測定機器・装置は、その進歩とともに著しく先端化、高性能化、大型化、高価格化している。従って、各研究者が個々にこれらに対応するのは困難であるため、これらを大学全体の研究資源として位置づけ、購入(導入)、利用、運用を共同で行う方が経済的かつ効率的である。

本学では1967年学長のもとに共同研究施設運営委員会が発足し、幾度かの改組の結果、現在は研究推進機構研究機器センターとなっている。
その目的を達成するために、研究機器センターにはセンター長のもと研究機器センター運営委員会および設備ごとにおかれた運用責任者が、研究機器センター所管の各設備の運用の管轄、整備、保守、管理の業務を行っている。研究機器センターへの移行に際し、学長のもとに設置された東京理科大学総合研究機構設置準備委員会において従来の機器センターの現状と問題点が議論され、研究機器センターのあるべき姿が、「東京理科大学総合研究機構研究機器センター設置について(答申)」としてまとめられた。この答申を受け、研究機器センター運営委員会では研究機器センターの改革について議論した。その結果、常任幹事会がワーキンググループとなり、その原案を作成することが決定された。常任幹事会では数回にわたり改善・改革の計画・実施方法について慎重に議論し、研究機器センターとしての結論を報告書にまとめた。改革は以下のような短期計画と中期計画よりなり、現在、着実に達成されつつある。

短期計画ではまず、機器センター運営委員会施行規則の抜本的改訂を行い、装置の管理方法を改めた。すなわち全ての装置を登録番号(1000番台)で一括管理し、管理形態の違いにより集中管理設備(C)、共同管理設備(S)及び分散管理設備(D)に分類し、登録番号の末尾に管理用タグ(C, S, D)を付記した。また、各装置はその種類により、質量分析装置(MS)、(核)磁気共鳴装置(MR)、 X線解析装置(XA)、 蛍光X線分析装置(FX)、 走査型電子顕微鏡(SM)、 透過型電子顕微鏡(TM)、原子間力顕微鏡(AM)、 レーザーシステム(LS)、 分光光度計(SP)、 その他(分析設備等)(O1)、 その他(生体材料解析装置)(O2)、 その他(特殊な測定システム)(O3)の12種に分類し、それぞれに対応する管理用タグを登録番号の末尾に付記した。また、液体窒素等の供給設備をユーティリティ関連設備(UT)として500番台の登録番号で管理することにした。

次に、大幅な予算執行方法の改革と保守契約の一括化・合理化を行い、予算の有効利用を可能にした。また、一部の機器・設備を対象に、運転員・専門的技術者による管理・運用の合理化を実現し、大学院生の測定指導を行い、学内研究資源の効率的利用および同資源による大学院教育の支援(大学院生による先端研究施設・機器利用の促進)を行うことが出来るようになった。また、2014年に野田キャンパス総合研究棟の1階部分に研究機器センター分析室が、2015年に神楽坂キャンパス1号館12階に研究機器センター室が設置されたことにより、研究機器センターは新しい組織として、全学的視野に立った先端機器の重点整備が可能になり、学内研究資源の学外公開による社会貢献(先端研究施設・機器の学外共用化、産学官連携の強化)も積極的に推進することができるようになると期待している。さらに、東京理科大学 研究戦略中期計画の中で、学内外の研究者が利用のために集まるような、本学の特徴となりうる大型の最先端設備機器を戦略的に導入するために、2015年度に設置した研究機器センターと研究戦略・産学連携センターによる「戦略的大型装置の導入及びスペース検討ワーキンググループ」において方針の検討を重ね、導入を開始した。

また、2016年には文部科学省新たな共有システム導入支援プログラムに採択され、これまで研究機器センター登録対象とならなかった中型装置の共有化についても組織的に行ってゆく。引き続き、研究機器センターの設置目的を達成し、本学の研究体制のいっそうの強化を図るために、研究機器センターではさらなる先端機器の確保と効率的運用、学内研究者へのサービス向上等に努めたい。

研究推進機構 研究機器センター長
創域理工学部 先端化学科 教授 酒井 秀樹